イワオウギ

学名:Hedysarum vicioides subsp. japonicum var. japonicum  

イワオウギ(岩黄蓍)[別名:タテヤマオウギ] マメ科イワオウギ属

北海道・中部地方以北の本州の、亜高山帯から高山帯にかけての草地・砂礫地に生育する多年草。

丈は20-80cm。太い根茎があり、茎は多数出て株になる。葉は長さ10-15cmで柄があり、羽状複葉。小葉は5-15対あり、狭卵形または狭長楕円形で先は尖らない。小葉の長さは2-3cm、幅1cm前後。裏面には白く柔らかい伏毛がある。花は長さ3-8cm程の穂になり、10cm以上の長さの柄があり、斜上する。個々の花には短い柄があり、長さ2cm前後、色は淡黄色で終わりかかると黄褐色に変わる。花弁は5枚で、下側の2枚は他の弁より長く、上側の1枚は幅が最も広い。
花期は6-9月。
果実は豆果で、数個の種子が入るが。個々の種子ごとに関節があり、熟すと離れて落ちる。長さは3-4cm。

※ 名は、中国の薬用植物の黄蓍に似ていることから。
 [近縁種]
  シロウマオウギ:中部地方の高山に分布し、豆果の鞘に関節がなく、長さ15mm足らずで、葉の幅がごく狭い。
  タイツリオウギ:北海道と本州に分布し、実が大きく長さは3cmを超え、関節も溝もなく、数個が長さ1cm程の
          柄で花茎から垂れる。花は殆ど白色。
  リシリオウギ :北海道から本州の高山や亜高山に分布し、豆果の鞘はあまり膨らまず、細い長円形で
          長さ3cmほど。小葉は大きく、シロウマオウギやタイツリオウギの倍で、数は10個前後。


主写真撮影日:1980-08-10   撮影地:長野県松本市 穂高岳大キレット
撮影者:MOMO