ミクリ

学名:Sparganium japonicum  

ミクリ(実栗)[別名:ヤガラ] ガマ科ミクリ属

北海道・本州・四国・九州の、池や沼などの浅い場所に生育する多年草。

丈は0.6-2m。茎は直立し、葉は基部から袴状に立ち、ミクリ属中では大型となる。泥中に走出枝をのばして先端に新芽をつくり、栄養繁殖する。葉は線形で柔らかく、背稜が発達して断面は三角形、長さ50-150cm、幅7-20mm。花期には茎の上部が花序となる。花序は分枝し、それぞれの枝の下方に1-4個の雌性頭花を、上方には3-20個の雄性頭花が付く。花茎上部から分枝した枝は、通常雄性頭花のみとなる。雌花の柱頭は3-6mmで頭花から突き出る。果実時には頭花は直径2-3cmとなる。
花期は6-8月。
果実の大きさや形は変異に大きい。通常紡錘形で、嘴部分をのぞいた長さが6-8mm、幅3-6mmで断面は3-6角形、上部がドーム状に円く盛り上がる。

※ 国内には、他にナガエミクリ、 ヤマトミクリ、 ヒメミクリ、オオミクリが生育し、同定の難しいものが多く、花序の観察が必須となる。
 ミクリ属全般に、生育地が減少し、ミクリは、環境省のレッドリストの準絶滅危惧種に指定されている。
 名は、花序の様子が栗のイガに似ることから。


主写真撮影日:2014-06-15   撮影地:神奈川県箱根町 箱根湿生花園
撮影者:MOMO