クラマゴケ

学名:Selaginella remotifolia  

クラマゴケ(鞍馬苔) イワヒバ科イワヒバ属

北海道・本州・四国・九州の低地から山地の日陰の湿ったところや林下の湿った場所に群生する常緑シダ植物。

茎は細くて緑色で、長く伸びて疎らに分枝する主茎と、短くてよく分枝する側枝に分かれる。どちらにも鱗片状の葉をつける。主茎は長いもので30cm、地を這って伸びる。側枝は数回分枝し斜めに立つ。主茎からは多数の担根体が出る。担根体は茎から出て真っすぐに下に伸び、土に触れるとそこから根を出す。葉には2つの形がある。茎の背面には、背葉(はいよう)と呼ばれる狭い葉が二列に並んで茎に密着して付き、茎の側面には、腹葉(ふくよう)と呼ばれるやや幅広い卵形の葉が左右交互に横に広がって付く。クラマゴケの特徴として、背葉の縁に鋸歯がある。胞子嚢穂は四角柱状で側茎の先端に集まってはっきりした胞子嚢穂を作るが、外見的にはそれほど目立たない。個々の胞子嚢は球形で葉の基部の上側に着く。葉は胞子嚢を覆うようになる。胞子には中に多数の小さい胞子を含む小胞子嚢と四個の大きな胞子のみを含む大胞子嚢がある。

※ 名は、京都の鞍馬山に由来する。
 日本で観賞用に栽培される種は、外来のコンテリクラマゴケ(Selaginella uncinata)、逸出して野生化していることもある。
 同属に、ヒメクラマゴケ、タチクラマゴケなどがあるが見分けが難しい。


主写真撮影日:2014-06-15   撮影地:神奈川県箱根町 神山
撮影者:MOMO