マテバシイ

学名:Lithocarpus edulis  

マテバシイ(馬刀葉椎、全手葉椎)[別名:サツマジイ、マタジイ] ブナ科オニガシ属

本州の房総半島の南端、紀伊半島・九州・沖縄の、温暖な沿海地に生育する常緑高木。古くから各地で植栽されている。

樹高は15mほどになる。樹皮は灰黒色で滑らか。縦に白い筋が入る。葉は互生して螺旋状に付き、枝先に集まる傾向がある。葉身は長さ5-20cm、幅3-8cmの倒卵状楕円形で、厚い革質。先端は短く尖り、基部は楔形。縁は全縁。側脈は10-13対。葉柄は長さ1-2.5cm。雌雄同株。雄花序は長さ5-9cm、新枝の葉腋から数個が斜上する。雄花は苞の腋に1-3個ずつ付く。苞は褐色で長さ1mmほど。花被は皿状で、6裂する。雄蕊は12個。花糸は長さ4mmほどで、花被の外に伸び出す。雌花序は長さ5-9cm、新枝の葉腋から斜上し、雌花が数個付く。雌花は径1cmほどの総苞に包まれる。花柱は円柱状で3個。雌花序の上部には、しばしば雄花が付く。
花期は6月。
果実は堅果で、長さ1.5-2.5cmの長楕円形で、翌年の秋に成熟する。下部は径約1.5cmの殻斗に包まれる。殻斗の外面には鱗片が、瓦重ね状にびっしり並ぶ。

※ 堅果(団栗)は、渋みがなく食用になる。葉が厚く、防風、防火に使われた。環境に耐え、よく育ち、剪定にも強いため神社の境内、工場の緑化などでも植栽される。


主写真撮影日:2014-06-10   撮影地:神奈川県相模原市南区
撮影者:MOMO